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とりあえずいくつかある体験談のうちの特に印象強かった1つを書くわ。
小学6年生の頃かな、男友達と二人で理科室を掃除しててたんだよ。
んで、他のやつはまだ誰も来てなかったから二人でホウキをかけてたりしてたんだよね。

理科室と準備室が繋がってるから、理科室を一通り掃除したあと、準備室を掃除することになってさ。
準備室は常にカーテンがしまってて、薄暗く、人体模型なんかがあってすごく不気味なところだったんだ。
んでその頃から俺は霊的な何かを感じることができてたんだけど、準備室はいつも嫌な感じがしてた。
でも友人と二人だったから特に気にすることもなくそのまま進んでいった。
前を友人が、後ろを俺が、って感じで縦2列でほうきがけしてて、ちょうど人体模型の前を通った時だった。

俺はなんとなく気味悪かったから下を向きながら進んでいたんだけど
そしたら、
ドンッ!!!
って音がした。
ふと少し前を見ると、ちょうど俺と友人の間に人体模型の頭部が落ちてきてたんだよ。
それでその頭部と目があった俺は思わず声を上げた。
最初はただ俺がなにかにぶつかった音だと思ってた友人も俺の声に思わずびっくりして振り返ったんだ。

んでその友人もビビってた。
そりゃそうだ
人体模型の頭部って、首のところに穴が空いてて胴体部分から生える棒に突き刺してあるから、普通は落ちてこないはずなんだよ。
もし落ちるとしても、相当棒から外れてないとありえない話。
なのにその頭部は落ちてきたんだってんだから俺達はビビり散らかした。
取り敢えず二人で頭部を拾って、胴体部分の棒にちゃんとはめ込んだんだけど、急に悪寒がしたんだわ。

あの時の気持ち悪さは今でもはっきりと覚えてる。
まるで誰かから、それも複数人から見られているような。そして背後に誰かがいるような。とにかく気持ちの悪い感じだった。

二人で話し合って、ひとまず準備室から出ることになったんだけど、ここから変な現象が立て続けに起こった。
まず、頭部をはめた俺達が後ろを振り返ったときに後ろにあった大きめの振り子?が動いていた。
その振り子はいつもは動かすとギィギィ鳴るのに、そのときは全く音を立てていなかった。
いや、もしかしたら鳴っていたのかもしれない。ただ単に俺がビビりすぎて何も聞こえてなかったのかもしれん。

とにかく誰かが触らないとそいつは動かないんだよ。でもその振り子はドンドン振幅を大きくしていく一方だった。
もう意味がわからなかった俺はとにかくその動きを止めに向かった。
振り子に触れようとしたその時だった。
背後から甲高いタイマーのなる音が聞こえた。
俺はビビった。

しかし、流石に友人のイタズラだと思ってあえて振り返らないことにして、振り子を静止させた。
そのままタイマーの音を無視してほうきを片付けに向かった。

無視してればいずれ、友人がタイマーを止めてくれるだろうと思っていた。
戻ってきてもタイマーはまだ鳴っていた。しかも友人は顔色を悪そうにしながら立ち尽くしたままだった。

「何してんだよ」と聞くと友人は震える声で「タイマーの音、どこから聞こえる…?」と聞いてきた。
俺は気付いた。友人は壁を背に立っているんだ。タイマーなんてあるはずがないんだよ。
訳わからんことが続いたせいで俺は完全におかしくなっていたんだと思う。

音の聞こえる壁に蹴りを入れたんだよ。「もしかしたら止まるんじゃねぇか」って思ってさ。
そしたら、ちゃんと止まったんだよ。タイマーの音は。
タイマーの音が止まったのは良かったんだけど、次に聞こえてきたのは耳を疑うものだった。

クスクスクス
女の子の笑い声だった。
静かに、でもはっきりとした笑い声だった。
俺と友人の精神状態は限界に達して、理科室から飛び出た。

このときようやく、他の奴らが来ていた。

あまりに遅いと思ったが、おそらくここまでに5分ほどしか経っていなかったらしい。
俺と友人は意味でに起きたことをすべて伝えた。
もちろん誰も信じてくれなかった。

みんなと一緒にもう一度理科室に入ることになった。
理科室はいつもどおりだった。
準備室にも行った。
準備室はいつもの薄気味悪さを取り戻していた。
タイマーの音も、笑い声も何も聞こえない静かな準備室だった。まるで何事もなかったかのような。

俺と友人は次の日から掃除場所を変えてもらった。
流石に耐えられなかった。

今考えると意外となんてことないことだった(慣れた)んだけど、子供の俺からしたら想像を絶する恐ろしさだった。

ちなみに俺の小学校では何も事件や事故は起きてないし、過去に死人がいたわけでもない。
なら、あの現象は何が原因だったのか。
未だによくわからない