SnekoDSC03590_TP_V

自室で寝ていたら突然全身が動かなくなった。部屋の電気は消えていたが、
ドアが開いていてすぐそばのリビングでは家族がまだ起きててテレビを観ていた。

目は開いているものの声は出せず妙に息苦しい中、ふと昔読んだホラー漫画で霊と会話する方法を思い出した
心のなかで霊に質問して「はい」なら右足、「いいえ」なら左足を引っ張ってください、という方法だった

少し考えて心のなかで聞いてみた
「いま金縛りを起こしているのは生きているものですか?生きているなら右足を、死んでいるものなら左足を引っ張ってください」

その途端ものすごい勢いで左足首を捕まれ、一気に天井に向かって引き上げられた
身体がバリバリと引き剥がされるような感覚があり、首と肩だけで倒立するような姿勢になった

しかし何者かに持ち上げられている左脚や身体は妙に頼りなく、実体というより半透明の影のような感じだった
その時恐怖よりも手加減を知らない相手に対して激しい怒りが湧き上がり、心のなかで叫んだ
「このバカ野郎!力加減も知らんのか!」
その瞬間金縛りは解け、剥がされていた身体はすとんと元の体に戻った

起き上がってまだテレビを観ていた家族に今経験したことを話すと、親父が「そんなときは身体のどこがが動くからそれで金縛りを解除しろ」と事も無げに言われた
今もたまに金縛りにあうが、解除するのも会話するのも面倒なのでそのまま眠るようにしている