学校に通うため、1人暮らしをすることになった。
それで、親に学校の近くにアパートを借りてもらった。
7階建てのそのアパートは、元々はどこか企業の社員寮だったらしく
アパート名に企業の名前を冠していた。
部屋は、ユニットバスがついた6畳のワンルームで
元が社員寮だったからか主に学生が入居するからか、
どちらが理由かは不明だが、台所は1つの階で共有だった。
また、建物内にPBXがあるらしく、各部屋間は
無料で内線電話ができるようになっていた。
さて、入居して1~2ヶ月経ったある日、
学校から帰って部屋に入ると、ユニットバスから
水の流れる音がする。
怖くなった俺は、隣の部屋のヤツに頼みこんで、
一緒に部屋とユニットバスを見てもらった。
結局、ユニットバスの蛇口から水が出ていること以外
特に変わったところはなかった。
普段シャワーしか使わない俺は、蛇口から水が出ていたことを
気味が悪いと思いつつ、部屋の入口のドアも窓も施錠されていたので
俺がボケていたのだろう、と自分自身を納得させた。
別のある日、電話(もちろん内線)で同じアパートに住む友人と話をし
上のフロアにある友人の部屋に行くことになった。
階段はアパートの屋内にあり、階と階の間にも踊り場があるものだった。
俺は、友人の住むフロアが見える踊り場、友人が3階に住んでいるとしたら
2.5階に相当する踊り場から、ふと見上げた。
そこには、フロアへの出入口から見知らぬ男が頭を傾げたようにして
こちらを見て、頭を引っ込めた。
ひどく驚いた俺は、驚かされたことに怒りを感じて後を追いかけたが
誰もいない。
落ち着いて思い返していると、男は頭を傾げておらず、
首自体が地面と平行にあったと思う。
あり得ないことだが、寝た姿勢で1.5メートル程度浮いた状態で
物陰から頭と首だけ出してこちらを伺ったか、生首だったのかもしれない。
このことは友人と「この建物には何かいるのかもしれない」という
話だけで終わってしまった。


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