779 : 1/2[sage] 投稿日:2011/07/04(月) 18:26:31.81 ID:MAkeJUho0 [1/2回(PC)]
盆栽サークルの爺さんから聞いた話。 
爺さんの住んでいた村よりちょっとだけ都会に近い村(K村とします)で起こった話だそうです。 

ある日、K村の婆さんが神隠しに遭ったと噂になった。 
その話を聞いた時点では何とも思わなかったが、用事でK村の実家に行っていた 
近所の嫁さんが詳細を聞いてきて、村はその話で持ちきりになった。 
流石に爺さんも好奇心が頭をもたげ、仲間とどぶろく持ってその家を訪ねたところ、 
不思議な話を聞かされたそうだ。 

警察は失踪事件として処理したらしいが、 
ある若者が、婆さんが消える瞬間を見たという。 
夕暮れ時、ふと通りに目をやると、遠くに件の婆さんが歩いているのが見えた。 
そのままぼんやりと見ていたそうだが、婆さんの進む先に、見慣れないものが見える。 
それは大きな石碑の様な形をしており、頂上付近に小さい黒い点が横並びに二つ。 
婆さんは、それに向かって真っ直ぐ歩いている。 
婆さんがそれに気付いたであろう時、石碑の真ん中が真っ黒くなり、 
婆さんはそこに引き摺られる様に吸い込まれていったという。 
婆さんを吸い込んだ石碑の様なものは、その後もそのまんまで佇んでおり、 
若者も暫く呆気に取られて見ていた。 
が、上にある点は目、中央の真っ黒な所が口だと気付いた時、 
全速力で家に逃げ帰り、布団を被って震えていたという。

 
780 : 2/2[sage] 投稿日:2011/07/04(月) 18:33:00.12 ID:MAkeJUho0 [2/2回(PC)]
爺さんがその話を聞いて大分経ってから、 
「K村の婆さんの家では、色々と手を回して何とか 
婆さんの葬式を挙げたらしい」 
という噂を耳にしたそうです。