292 : はんなり ◆pY8wVSD01g [sage] 投稿日:2010/08/21(土) 03:29:09 ID:9FhPPqS70 [22/29回(PC)]
たんなる夢だったのかもしれない。
数年前のこと、不思議な夢を見た。
一両だけの小さな電車に乗っていた。その電車は山肌にススキが群生する中をコトコトとのどかにすすんでいた。
今まさに夕日が沈もうという時分で、車窓から見えるススキの原も黄金色に輝いていた。
私は座席に座っていたのだが、ふと気づくと目の前に 2年前に亡くなった叔母が立っていた。その叔母が[うちらは次の駅で降りるけど、あんたはどうする?]と訊いてきた。
その時の私には特に目的地も無かったが なんとなく 「もうちょっと乗って行くわ」と答えたら、叔母はニコニコしながら「そうか」と言い、次の停車駅で降りていった。すると他の乗客達もぞろぞろと全員降りてしまった。
車内でひとりぼっちになった私はちょっと驚きながらも、単線の電車だったためとりあえず終点の駅まで行き、遅くなったら親が心配すると思いながら折り返しの電車に乗って地もとの町まで帰ってきた。
目覚めたときは怖くもなんとも無かったが、あのとき 叔母と一緒に降りていたらどうなっていたんだろう…と思うとちょっとひんやりしてしまう。
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