608 : KO8[sage] 投稿日:2009/08/08(土) 02:20:42 ID:2JWKHrPf0 [9/13回(PC)]
数週間後、俺は労働基準監督署に呼び出された。
山口の自殺は過労による鬱(うつ)が原因ではないかって、監督署から厳しく追求された。
俺は労働状況についてありのまま答えた。そして最後に言ってやった。
「監督官はすき焼きのお肉にわさびつける派ですか?」
俺を責め続けた監督官はきょとんとした顔をしていた。
俺は監督署を出て、小○橋通を新宿駅に向かってトボトボ歩いていた。もう夕方の時間だ。今にも雨が降りそうな天気だった。
すると人ごみの中、こっちに向かって白い着物の女が歩いている。それは言うまでもなく異常な光景だ。遠くなんだけど、明らかに俺を見ながら歩いてきているのがわかる。
近づくにつれ、俺はその女の妙な動きに気づいた。
女は、右手で自分のお腹て言うか着物の帯のあたりをパンパンとたたいている。
609 : KO9[sage] 投稿日:2009/08/08(土) 02:27:30 ID:2JWKHrPf0 [10/13回(PC)]
何やってんだ?
女はだんだん近づいてくる。俺を睨みつけながら。
パンパンてお腹のあたりを叩きながら。
おい、まじかよ。
10メートルくらいに近づいてきた。だんだん小走りに近づいてきている。
もうそうなると周りの人の流れは俺の視界に入ってこない。
あいかわらず帯のあたりを右手で叩いている。パンパンって音が大きくなってきた。
女の表情が確認できた。長い黒髪、そしてこの世のものでないような凄い顔・・・。
610 : KO10[sage] 投稿日:2009/08/08(土) 02:29:08 ID:2JWKHrPf0 [11/13回(PC)]
おまえ、まさかこの梅雨時期に『ストーブの火がどうのこうの』って言うなよ・・・。
俺は自分の意思では思いつかないようなことを思っていた。
女が1メートルくらいの距離に俺に迫ってきた。
「ウギャー!」
俺は無我夢中で女に背を向け大久保方面に走って逃げ出した。
後ろを振り返らずひたすら走った。
611 : KO最終章[sage] 投稿日:2009/08/08(土) 02:40:03 ID:2JWKHrPf0 [12/13回(PC)]
あ、それから後だしで悪いけど、上司にこの打ち上げをした居酒屋以降の話をしたところある高名な女性占い師を紹介された。もちろんその占い師にも俺は居酒屋以降の話ししかしていない。居酒屋の前の話はしちゃだめだって誰かに命じられているようだった。
俺の話を聞き終ってその占い師にこう言われた。
「この話は他の誰にも言ってはだめ。聞いた人に恐ろしい怨念が飛び火する。とんでもないことになる。」
事実、上司は・・・。
【終わり】
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っていうか、意味がわからない。
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