826 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2007/10/03(水) 02:50:08 ID:eCcpGIn50 [1/5回(PC)]
俺はオフロードバイクに乗るのが趣味。たまの休みは山に分け入って一人遊びを 
している。そうして遊んでいると、やはりとても「落ち着く」処と「落ち着かない」処が 
あることに気づく。646の話にもあったが、そういう場所は存在するね。 
これは俺が実際に体験した不思議な出来事だ。 

珍しく休みが多く取れたので、俺は一人で1週間岐阜に林道ツーリングに行く事にした。 
岐阜と福井の県境にある山に入ってひとしきりライディングを楽しみ、夕暮れて 
きたのでテントを張る場所を探していた時の事だ。


827 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2007/10/03(水) 02:52:15 ID:eCcpGIn50 [2/5回(PC)]
(続き) 

かなり山の中まで入り込んでいたが、遠くに滝の様な水音のする支線を見つけた俺は、 
「多分すぐ着くだろう…」と高をくくって日没が近いのにもかかわらずその 
支線に入っていった。 
急速に山道は暗くなり始めたが、滝の傍でテントを張り、麓の売店で買ったウイスキーを 
チビチビ舐めながらお気に入りの小説を読むという楽しい計画に思いを馳せて 
ビビりそうな気持ちを鼓舞しながらアクセルを開けていた。 

ところが滝の瀑布音は聞こえるのだが、思いのほか遠いようでいつまでたっても 
滝どころか、川面さえ見えないという状況。俺はさすがに少々うんざりしてきた。 

その細い支線に入って10分位走った頃だろうか、連日晴天だったのにもかかわらず 
路面が急に水でぬかるんできたのだ。背中には約10Kgのザックを背負っていた俺は 
転倒するのが怖くなり、滝は諦めて支線の入り口まで戻り、幹線林道にあった 
広場でキャンプしようと思った。 



828 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2007/10/03(水) 03:02:27 ID:eCcpGIn50 [3/5回(PC)]
Uターンするには十分な道幅がなかったので、一度バイクから降りて慎重に 
バイクを切り替えして、もと来た道に向けようとしていた時だった。 

何の前触れもなく、突然エンジンが「プシュン」と湿気た音を立てて止まってしまったのだ。 
Uターン中だったら間違いなく転倒していただろう。俺はビビるより 
「あ~、降りてUターンしててよかったぁ」と安堵した位だった。 

ところが秋口という事もあり、ヘッドライトが消えた林道はまだ19時前だったにもかかわらず 
すでに夕闇が迫っていた。急にライト無しの闇に放り出された俺は 
その時になってやっと恐ろしさを感じた。 
いつもならこんな暗闇でも一人で林道キャンプを平気でする俺だったが、この場所での闇は事の外 
プレッシャーを感じる物だった。 

「嫌な感じ」に取り込まれると、ろくな事が無いと分かっていたのだが、多分 
本能的に「この闇は怖い」と感じてしまったのだろうと今では思う。 
一刻も早くここから遠ざかりたい!とあわててエンジンをかけ直そうと思った 
その時… 



829 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2007/10/03(水) 03:09:36 ID:eCcpGIn50 [4/5回(PC)]
背中に今まで感じたことの無い異質な「何かの気配」を感じて俺は正直声を上げそうに 
なってしまった。野生の動物に遭遇した事が何度もあるので、ただの動物ならどうという 
事は無いのだが、その時感じた気配は今まで感じた野生動物とは全く異質な 
モノだった。 
首筋のすぐ後ろ側、ヘルメットで見えないが、その「何か」が首の後ろで 
物凄い威圧感を放っていた。怖くて後ろを振り返る事ができなかった。 
半ば金縛り状態だった俺はさらに強力な気配に文字通り「恐慌状態」になてしまった。 



834 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2007/10/03(水) 14:08:46 ID:eCcpGIn50 [5/5回(PC)]
その時背後で「バシャ・バシャ」とまるで人が歩いているような音がした。 
どう考えても人が歩きでいるような場所ではない。俺が感じた「気配」は 
まちがいなくその「足音」によるものだったと思う。 

人外の存在をあんなに身近に感じたのはこの時が初めてではなかったが、とにかく 
強烈な思い出として今もそのときの事を思い出せる。 
そういう場所だったのだろうが、今またそこへ行けと言われたら 
やはり「嫌」と言うだろう。