847 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2007/10/05(金) 00:00:30 ID:9PIedvuL0 [2/2回(PC)]
子供の頃、俺は美濃地方(先ほど書いた林道の辺り)にある山の麓の 
公団団地に住んでいた。その団地のすぐ脇に、山に沿って小川が流れていて、 
学校では注意されていたが友達なんかとよく遊びに行っていた。 

小3位の時期だったが、夕方その川でたまたま一人で遊んでいると、 
男の子がすぐそばにいて、一緒に遊びたそうにこっちを見ていた。 
同じ学年位の男の子で全然見かけたことの無い子だったけど、 
団地なので引っ越しは比較的多く、そのときは別に不思議には思わなかった。 

子供だからすぐ仲良くなって、二人で日が暮れるまで夢中で遊んで 
いたんだけど、当時流行ってたファミコンとかアニメの話題を 
しても、なぜかその子はファミコンの事もアニメの事も知らない様子 
で、しきりとゲームの事を俺に質問してきた。 

「なんでこんなに流行ってるのにこいつはファミコン知らないんだろう…」と 
思ったが、当時まだファミコン持ってる奴は少なかったから、さして気には 
なかったか。 


848 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2007/10/05(金) 00:15:41 ID:em/sOuAl0 [1/3回(PC)]
その時、どういう訳かその子の靴が片方だけ川に流されてしまって、 
慌てて俺は川に入って拾いに行ったんだけど、その子は 
「どうしても川に入れない」と怖がっていた。 

その怖がり方がやけに大げさで、服が汚れるのが嫌なんだと勘違いした俺は、 
「自分の靴だろ、一緒に拾いに川に入れよ!」って意地悪な事を言って 
しまったんだけど、その子はどうしても川に入れず、岸から悲しそうな 
顔で俺を見てるだけだった。 

その靴が、当時流行っていたいた様な靴じゃなくて、学校の教室で履くような 
布の靴だったのを鮮明に覚えている。 

俺は靴もびしょ濡れだし、暗くなってきたので 
「そろそろ暗くなったから帰ろうか?」と俺が言うと、どうしても 
「笹舟を作って流そうよ…」とその子が言うから、 
二人で傍に生えてた笹で笹舟を作って二人で川に流して 
遊んだっけ。 
俺は早く帰りたいからさっさと笹舟を作って 
川にながしたけど、その子は丁寧に何度も何度も作り直して、 
あんなに怖がっていた川岸に慎重に歩いて行き、そっと流れに 
船を置いて流していた。 
今考えると、あの子は帰るのが嫌そうな雰囲気だった。 

しかし俺は、18時30分から始まるテレビ(トムとジェリーだったかな?)が 
見たかったから、船が見えなくなると「また明日、ここで遊ぼうな!」と言って 
家に帰ろうとした。その子は寂しそうな顔で俺を見ながら笹船を流した 
岸辺にぽつんと立っていた。 



849 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2007/10/05(金) 00:55:44 ID:em/sOuAl0 [2/3回(PC)]
翌日、その川に行ってもその子には逢えなかったし、周りの友達に 
聞いても、誰も「そんな奴は知らないし、今は転校生もいない」と言っていた。 

それからしばらく経った頃、懲りずにその川で遊んでいたら、草むらの陰に 
「危ない!ここに入らない!」と子供が川で溺れている絵看板が、 
折れた状態で倒れており、傍に花束と小さな箱に入っている飴のお菓子が 
置いてあるのに気がついた。 

その看板があの子と別れた岸辺の辺りにあったのが妙に気になった俺は、 
川でで遊んでいる事を怒られるのを覚悟で学校の担任に聞いてみた。 
すると「10年位前になるけど、その川で小学校3年生の男子学童が 
溺れて亡くなった」と聞かされた。 
そして「二度とその川で遊んではいけないぞ!」と厳しく怒られた。 



850 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2007/10/05(金) 01:03:23 ID:em/sOuAl0 [3/3回(PC)]
その時の俺は、怒られた事よりも、あの子がその「男子学童」だろうと 
いう事を確信していた。そして不思議と、「怖い」とは感じずに 
「気の毒に…」と、子供ながらにそう思った。 
先生には怒られたが、その後も懲りずに川で遊んでいたけれど、とうとう 
その子には逢えなかった。 
もしかしたら、ただ偶然親戚のところに遊びに来ていた違う校区の子供 
だったかも知れないが、当時の事を思い出すとなぜかそうじゃないという 
変な確信がある。 

なぜかというと、別れ際にその子が「これ、あげるよ。また遊ぼうね」 
と言って、何とも寂しそうに笑いながらポケットから珍しい小さなお菓子を 
俺にくれたからだ。 
そのお菓子は、オブラートに包まれ甘酸っぱい味のオレンジ色をした 
小さなボンタン飴だったからだ。 

これは俺が黄昏時に体験したもう一つの不思議体験です。 
この事を思い出すと、何ともうら寂しい気持ちになりますね。 
昔に住んでいた家の少し離れた場所ですが、あんな処でもこういう 
不思議な場所…いや、もしかしたらこれは場所ではなく、 
何かの波長・もしくはメッセージだったのかな?を感じる 
場所だったのかも?と思います。