声の主はすぐにわかった。
隣にも座敷牢があり、そこに髪がぼうぼうで毛だらけの男がいた。
毛だらけ男は男の子のほうをじっと見ており、ウオオオオオと騒いでいた。
怖くなった男の子は蔵を飛び出し家へ向かったが、家の者にバレるのも恐れていたため、鍵の事を思い出し、戻って鍵を閉め、仏間に鍵を戻し、自分の部屋へ戻った。
蔵の地下にあんな場所があった事、姉がいた事、毛だらけの男の事、分家の男は2人の世話をしに行っていたのか等を考えていたが答えは出なかった。
ふと母親の連絡先の事を思い出した、母なら何か知っているだろうかと思い、連絡先が書かれた紙を持って家を飛び出した。
家から十分ほど離れた公衆電話まで来た、そこで書かれた連絡先に電話をした。
夜遅い事もあり、なかなか出なかったが、しばらくしてもしもしという不機嫌そうな声がした、それは母がたの祖母だった。
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