153 : 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ [sage] 投稿日:2009/07/21(火) 20:59:31 ID:wmv7mFFi0 [1/4回(PC)]
知り合いの話。
彼女の田舎の山村には、ゴンボスジと呼ばれる家があったのだという。
その家系は呪詛をよくしていたと言われ、恐れられていた。
ゴンボスジは畑に呪いを掛ける。
呪われた畑の根菜類を引き抜くと、藪睨みの目玉が幾つか付いていて、抜いた者を
睨み付けてから消える。睨まれた者は、程なくして死んでしまうのだそうだ。
ゴンボ(牛蒡)がよく呪われたそうで、故にゴンボスジ(牛蒡筋)と呼ばれるようになった、
そう伝えられている。
大層恐れられたが、何故か避けられてはいなかったようで、村はよくゴンボスジの
娘を嫁に迎え入れていたと聞く。
そしていつの間にか村の中に溶け込んでしまい、ゴンボスジは途絶えたという。
今でも村では
「嫁を取ったら、絶対怒らせるな」
と伝えられているそうだ。嫁がゴンボスジの血を引いていれば、
相手にその意志が無くとも呪われるからだと。
ゴンボスジというのは女系の家で、まず女しか産まれなかったとも伝わる。
「・・・という、まぁ言い伝えレベルの話だけどねー」
そう言って彼女はカラカラと笑った。
相槌を打ちながら
「この人は怒らせないようにしよう」
と思う私だった。