悲しい話

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     真嘉比道(まかんみち)は 崇元寺から首里・儀保への抜け道です。嘉平川里之子の妻チルーの墓はこの真嘉比道にありました。 
    墓の入り口、嘉平川が石板をはずし中に入り白い布に覆われた棺の蓋を開けると・・・すでに体の肉半分がただれ落ちた妻の死体が現れました。 
    まさに鬼気迫る光景でしたが里之子はかなりのお酒を飲んでましたので怖いとも気味悪いとも思いませんでした。 
    意識がもうろうとした状況で嘉平川里之子は妻の両足を持参した金槌と長い釘で棺おけにしっかりと打ち付けました。 
    「よし!これで妻の亡霊は現れないだろう!」ようやく安心した嘉平川は家に帰りまた酒を飲んで寝てしまいました。 

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     不思議なことにこの日を境に、嘉平川の病状は回復していきましたが・・・ 
    二目と見られぬ顔になった妻チルーに対して哀れさよりは嫌悪感が先立ってしまいます。 
    健康な体と明るさを取り戻した嘉平川里之子は 妻チルー以外の女に目を引かれ心をうつすようになり、、、 
    ついにナビーという寡婦(後家)と深い関係になってしまいます。 
    ・・・そしてこの情事がいつしか妻チルーの耳に入ります・・・・・。 
    病床の夫に余計な心配をかけまいと自らの鼻をそぎ落とし二目と見られないほど顔を醜くしたチルー。 

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    昔、首里城下に嘉平川里之子という男がおりました。 
    「里之子」とは士族の男子の呼び名です。 
    しかし嘉平川家は名家ではなく王府の役職にも就いておりませんでしたので、その暮らしぶりは裕福とは縁遠いものでした。 
    その上嘉平川里之子は重い胸の病気を患っており寝たり起きたりの生活でした。 
    生計を支えるため妻のチルーは小さな商いをしておりましたがその合間にも機(はた)を織り献身的に夫を支えておりました。 

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     そして時は流れ、2000年を少し過ぎた頃。 
    今度はその神主の子供が似たような症状を発症した。 

    慌てて病院に駆け込んだが、結局治療法などは当時の医学でも分からなかった。 
    医者も色々と調べてくれたが、
    はんとう病とかそういう病気に似てるが、実際はよく分からないとのこと。 

    ただその原因は断定はできないものの、可能性は推測はできたみたい。 


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     俺の親父の田舎は、60年代初頭まで人食いの風習があったっていう土地だ。 
    とはいっても、生贄だとか飢饉でとかそういうものではなく、ある種の供養だったらしい。 

    鳥葬ならぬ人葬かな。それは小さな神社で行われてたとのこと。 

    そこの神主さんが亡くなった人の脳だとか脊椎だとかを啜り、その人の魂(心?)を受け継ぐんだって。 
    で、イタコの真似ごとをして、残された家族とかに故人からの言葉を送るっていう寸法。 

    気味が悪いように聞こえるけど、それほど殺伐としてようなものじゃないみたい。 

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    某ディーラーに勤務していた頃、他地方の警察から電話が来た。 
    駅前でクルマを停め灯油を撒いて焼身自殺したのがいたらしく、所有者がウチってことで 
    確認+車輌引取りの打診。そのクルマの販売店から営業が出て、保管場所にローダーで 
    赴いて積んで帰った。車検証も焼けてたので再発行の上廃車手続きを踏んだ。 

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    10年程前、リゾート観光地のフードコートでバイトしてた。 
    平日だったせいか、珍しく席はガラガラ。 
    ふとカップル(多分)が来たんだけど、その彼氏が怖かった。 
    彼女は席で待ってて、彼氏がカウンターに注文に来てたんだけど、顏見て凍った。 

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     弟はかなり見える人だった 
    後で知ったけど、見え過ぎて何度も死ぬ目にあったらしい 
    で、小学生の頃、弟と一緒にアニメのビデオ見てたら弟が突然横を向いて手を振った 
    そっちの方向は台所、しかも電子レンジしか見えない 
    思わず「なにしてんの?」と声かけたら、弟は私のほうを向いてしばらくジッと目を見てきた 
    そして私の肩に手を置き、10秒くらいして「台所見てみて」と言った 
    白い着物着た髪の短い少女が静かに立ってて、私は悲鳴を上げた 
    弟の手が離れると、すぐにその少女は見えなくなった 
     
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    翌朝は以前にも感じた嫌な感覚で目覚めた。階下で人が騒いでいる。 
    またか、と言う気持ちと薄ら怖い気持ちを振り払うように階段を下りると母親の泣き叫ぶ声が聞こえた。 
    「○○ちゃん、ごめんね」 
    そう何度も繰り返していた。姉に対する言葉だった。声の方向は祖父の部屋の方だった。 
    正面に見えた祖父の部屋の障子が開きその中に不自然に高い位置に姉の肩が見えた。 
    駆け出して近づくと、祖父の部屋の鴨居に祖父の形見の着物の帯で首を吊った姉の姿があった。 
    「なぜ…」 
    昨日、私に本をくれた姉に変わった所は何も感じられなかったのに。 
    しかも明日は6月20日で姉の20歳の誕生日だったのに。 
    普段あまり仲良くしていた記憶の無い姉の死がまるで自分の身体の一部を削がれるような痛みになって襲いかかる、 
    そんな感覚で通夜や葬儀の事はあまり覚えていない。 
    ただ、通夜と葬儀の間ずっと「ごめんね、ごめんね」と言い続ける母親の声だけが耳に残っていた。

     
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