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山道を歩いていると、行く手の道上にちょこんとした小さな影一つ。
近よってみると、妙に古臭い服を着た子供だった。多分、男の子。
こんな山奥に小さな子が一人というのが気になって、声をかけてみた。

返答はない。子供は相変わらず、無表情なままだ。
どうしたものかと頭を悩ましていると。

ぞろりと、小さな口から黒い百足のような物が這い出した。
飛びのいた彼を尻目に、小さな手はグッと黒百足を口中に押し込む。
小さく「グェッ!」と悲鳴が聞こえた。
そのまま踵を返して、子供は森の中へ消えて行った。
関節の動く向きがおかしく、奇妙にギクシャクした動きだったという。

・・・何かが子供の皮を被っていたのかも。
なぜかふと、そう考えてしまったそうだ。