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父の手違いで血統書をもらい損ねた柴犬。
どうもトロい。すぐ近所で迷子になる。遊びに来た猫に餌を
食われる。予防接種をした獣医を尻尾を振って見送る。

この犬を連れて、両親は山菜取りに出掛けた。

父が何故か、犬を放してしまった。いつも鎖につながれて
可哀想、程度の軽い気持だったらしいが。
「何ばしよっとね! 迷子になって戻ってこられんが」
と母が指摘して、父は我に帰り、
「……なるようになるさ」
と山菜取りを続けた。

やがて山菜がある程度の量取れたので、父が口笛を吹き、
「○○~! 戻ってこんか~!」
がさがさと音がして、すぐに犬は戻ってきた。
近所でさえ迷子になる犬が、はじめて来た山の中でどうして
迷わず戻ってこられたのか。

山の神様は女だと言うが、イケメンの犬なので、もしかして
神様が道案内をしてくれたのだろうか。
(本当にイケメンなんですよ。通りすがりの人が、どうして
こんなに格好よく育ったのか、とわざわざ尋ねてくるほど。
切れ長の目で程よく筋肉質、人間で言うと東山タイプ)