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とある樹海に単独入山していた夜のこと。
どこからか蚊が入り込んだようで、羽音が耳障りで寝られなかったという。

寝返りをうっているうちに、羽音に混じって何か雑音が聞こえてきた。
やがて、雑音はブツブツという男の低い声になる。

「…もいおもいおもいおもいおもいおもいおもいおも…」

彼は耳を塞いで強引に寝ることにした。
翌朝、撤収する際に確認したが、テント下の地面には何も見えなかった。
しかし詳しく確認するようなことはしなかったそうだ。