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彼は祖父に可愛がってもらっており、よく一緒に山に茸などを採りに行く。
残念ながら、松茸の取れる場所だけは、いまだに教えてもらっていない。

山道を歩いていると、奇妙な獣道に時々出くわすのだという。
小動物が歩くのがやっとの幅なのに、白い玉砂利で美しく覆われているらしい。
しかも見つけるたびに、道はその場所を変えているのだそうだ。
不思議に思い祖父に尋ねると、次のような答えが返ってきた。

 これはわしらのための道じゃないから、知らなくていいことだ。
 こっちから首を突っ込まなければ、向こうも関わろうとはしないからな。

向こうというのが何物なのかは、実のところ祖父もよく分からないという。
彼は今でもたまにその道を見かけるそうだ。