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父方の爺さんがとある集落出身で、俺も小さい頃少しの間その集落で過ごしてたんだが、その集落にはどの家にもその家の神様がいらした。

うちのは山神様で女の神様だったそう。冬は山に引きこもり、春のぬくもりで目を覚まして里に降り、恵みをもたらすとかいう。

最近お酒を飲める歳になったんだが、爺さんにその神様の話を振ってみると面白い話が聞けた。毎年秋の決まった日に家の男の裏山の祠に。

もう十年近く前にその集落は解散になって、それと同時にその風習もなくなったみたいだけど、未だに御神体(真っ黒になった木箱で、爺さんも中身は知らないらしい)は実家にある。