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10年ぐらい前に本家の従兄弟が自分に会いたいとか言って上京してきて、それで何年ぶりかで会ったんだけど、西麻布のバーでちょっと飲んで(自分は酒弱くてちょっとしか飲めない)、疲れたんでタクシー呼んでもらって従兄弟と帰ったの。

んでタクシーの中で自分が色々と我が一族の話をしていたの。
従兄弟は歴史とか全然興味無くて自分の家の辿った事跡のこともほとんど知らないんだけど、なんかその時は興味を示してそういう話をする方向になった。
しばらく話してたら、タクシーの運転手さんが「由緒あるお家なんですねー羨ましいです」とかって突然話しかけてきたの。
それで運転席の名前見たら、うちらと同じ苗字だったわけ。
あれれー、とちょっと不思議な感覚になったんだけど、まあうちらは結構ありふれた苗字だからね。
それで従兄弟を連れて家に帰って

それで従兄弟を連れて家に帰って、「ああ疲れた!」って感じで2人で居間のソファーにどっかと腰を下ろして、リモコンでテレビ付けたの。
そしたら、何かドキュメンタリー番組をやっていて、M県から上京してきて美容師を目指して修業してる娘さんに密着したドキュメンタリー番組だった。
「ほうM県か。うちらの県だな。」とか言ってたんだけど、画面のテロップに出たその子の苗字を見て腰を抜かしそうになった。
従兄弟と自分の我が一族が江戸時代代々領地にしてた地名がその子の苗字なの。
うちらの苗字と違って、我が一族の領地の地名は非常に珍しいもので、それを苗字にした人なんて会ったことない。
さっきまでのタクシーの中でもさかんにその地名を口にしていて、帰ってすぐにテレビでその名前見たんで余計衝撃だった。
なんで寄りによって従兄弟と10年近くぶりで会って一緒に飲んでタクシーで帰ってってその時に、テレビで俺らの一族の領地名に出会うのよ!
ってまあそんだけの話。