YUKIR20505_40_TP_V

夜警をしている最中に、妙なモノを見たことがある。
少し離れた尾根で蠢いているモノが見えたので、相方と二人して目を凝らした。

『それ』は次第に人の貌をとり、やがて立ち上がろうとしているように見えた。
相方の「ぎゃー!」という絶叫の直後、人型はサーッと解けるようにして形を崩した。

悲鳴を聞きつけて集まった何人かで現場へ向かったが、
木の枝や落葉がこんもりと盛り上がっているばかりだった。