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中学生の頃同じクラスの女子3人で新しくできたカットハウスへ
綺麗でオシャレな、お姉さんがヘアカットしているので私達は安心して入店。

大きな鏡の前にお姉さん店長と旦那さんの2ショット写真(旦那さんも結構イケメンだ)
だが結果、私達のカットは、どうみてもイケて無い田舎の女子中学生

オシャレなイメージやお姉さんの優しい人当たりが、逆に腹が立って来た。
私達は頭の悪い女子中学生だったから幼い復讐を実行した。
昼間にお姉さんのお店に電話をかける。(旦那さんは朝早く出勤夜遅く帰宅の忙しい人)

私達は声を一生懸命変えて(ガキだから限度あり)お姉さんに反撃開始。
「今、アナタの旦那さんが表参道で綺麗な女性と楽しそうに歩いていましたよ、、」
「さっき、旦那さんが女子高生と円山町のホテルに楽しそうに入って行きましたよ、、、」
等、全てがウソの密告電話。我ながら今思い出すと自分達が幼すぎる。

しかし、お姉さんは怒る事も無く、「、、そう、、、楽しそうだった?、、、」
「何時頃?、、、、どんな服を着てた?どんな髪型をしてた?」と穏やかに話すだけ。
私達は心の中で「やべえ、ウソが完全にばれて、逆にからかわれてるじゃん」と焦った
しかし、電話を切る際には、そのお姉さんは「また情報が入ったら教えてね」
「本当にありがとう。次の情報も絶対報告してね」
夏休みに入ってもウソ密告電話ごっこを暇つぶしに3回かけたが、もう止めた。
面白く無くなったからだ。お姉さんは「今日もどうもありがとう。また目撃したら必ず教えてね」
こんな調子なので、私達としては全く面白く無くなった。

夏休みに入り、ダラケきっていた時に友人の母親から、意外な事実を教えられた。
「あのヘアサロンの女性経営者ね、、3年前に旦那さんが事故でなくなられて現在
女手一つで店を切り盛りしていて、若い女性なのに立派な人よ、、、」
「石神井で夫婦で開業された時は、とても仲が良い夫婦で地元ファンが多かったんですって」

私達は泣いた。何故泣いたのか理由は分からなかったし、大人になった今
適当な理由は大人だから見つけられるけど、そんな分別を当時の私達が持っているハズも無かった。
アノ頃はただ、無言で3人の馬鹿女子中学生は泣き続けた。