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小学生の時、校庭で木登りをしていたら鳥の巣に入った卵を見つけ、一個だけ取って担任に見せた。
鳩の卵だと教えてもらい、巣に返してきなさいと言われたが、どうしても自分で育ててみたくなり、こっそり家に持って帰った。

当時同居していた叔父に卵を見せると、叔父は「人間には卵は孵せないよ。それに人間の匂いが付いた卵を親鳥は育てない」と言った。
落ち込む俺に叔父は続けて言った。
「どうせ死ぬんだから、マヨネーズにして食べてあげよう」
俺はすごく嫌だったが、ぐずると叔父に嫌われると思い、結局一緒にほんの少しのマヨネーズを作った。

叔父の味付けが上手だったのか、鳩のマヨネーズは普通のマヨネーズと変わらないほど美味しかったが、常温の卵や酢で作ったせいで、とにかくぬるかった。
その生々しいぬるさが口の中を満たし、俺のせいで死んだ命が体の中で毒に変わるような気がして、俺は胃の中の物を全て吐いた。

叔父は食中毒で入院した。