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とある山の山頂付近に、簡単な公園がある。
7~8台は停められる駐車場と、トイレと、東屋がある、
田舎によるある展望公園だ。

おれはドライブが好きで、あちこち出かけるのだが、
その公園は夏場のお気に入りのひとつ。

辺りに民家も途絶えたような国道から、さらに1時間ほど脇道を登ったところにある。
静かで、涼しくて、遠くに海が広がる景色に癒される。

利用者は決して多くはないものの、たまに、デートしてるカップルや、
ピクニックにきてる親子連れを見かける。

さて、ここからが本題だ。
今年も夏になり、おれはこの公園へやってきた。
そして、すぐに異常に気づいた。

猫だ。猫がいる。それもたくさんいる。10匹ぐらいか?
車を降りると、おれに一斉に近寄ってくる。
人に慣れているらしく、おれの足に頬をこすりつけ始めた。

実家で猫を飼ってるからピンときた。エサをねだっているのだ。
車にスナック菓子があったので、駐車場にバラ撒いてやると、
一斉に10匹が集まりがっつき始めた。

どうやら野良猫ではない。野良猫は人を警戒する。
ここの猫は、まったく無防備に近寄ってきた。
おそらく、捨て猫がおれのようなドライバーからエサをもらい、
この夏までに増えたのだろう。

しかし待てよ。たしかに夏場はいい。人がくる。
エサにもありつけるだろう。だけど冬はどうする?

雪に閉ざされて人は寄り付かないぞ。
辺りに民家はない。
天然環境では10匹どころか、1匹でさえエサにありつけるか怪しい。
あっという間にスナック菓子をたいらげた猫どもは、
なおもにじり寄ってくる。

おれはたまらず車に戻り、すぐに公園を離れた。
怖かった。
あの、妙に人懐っこい猫どもの末路が予想できるから。
今年はあれ以来公園へ行っていない。