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高校生活の日課はゲーセンにいくことだった
いつからか「いよぉ」と挨拶をする奴と仲良くなった

といってもろくに話したことなんかない
大抵は対戦台の向こう側にいるだけ
一時間もしないうちにいつのまにかいなくなっていた

ある土曜日ゲーセンにいるとその日は珍しくそいつと会話をした
仕事でポカをやったというそいつは
取り立てるべき相手からそうできなかったせいで帳尻が合わされてしまったと言って
責任をとらされるからもう来れないといって寂しげにしていた

よくわからなかったがもう逢えないのはなんだか嫌で
最後に思う存分ゲームを楽しんで
UFOキャッチャーの景品なんて今思えば他にあるだろとおもうプレゼントをして別れた

その翌日の日曜日、ゲーセンに繰り出して人のプレイを眺めていると
親父がまだ午後四時なのになぜかやってきて引きずられるようにして家に戻った
隣の家の子が死んだがそれが何やら奇妙な死に方で他殺が疑われるような状態だったので
警察が聞き込みにきているという話だった

というのもその子が唐突に倒れた時慌てた奥さんがベランダを見ると
深々とお辞儀をしている男が目に入ったらしい

その風貌を聞いているうちに俺はゲーセンの友人の事を思い出したが
なんとなしにそれは言っても意味のないことなんだと理解した
けれどこういうのは伝わるんだろうな

何回かにわけてやってきた警察に結局話すことになった
「実は、奥さんもね。そのお辞儀する男がパッと消えたって言っていたんですよ」
半信半疑どころかからかうなと怒られるんじゃないかと思っていたけど
そうはならずにぼやかれた