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一年前、大学生の時。先輩と友人、私とで夜中に高知のある県道をドライブしていた。
目的地もなくなんとなく車を走らせていた時、ふと会話が途切れて車内が静かになる。

気の置けない友人同士でもこういうことは往々にして起こるし、その時は気にも留めていなかった。

そのまましばらく進んでいくと後部座席に座る友人が「あ、行き止まりですね。戻りましょう先輩」といつもの饒舌な調子で呟いた。
運転手の先輩もあ、あーうん。そうだね。と返し、その時点でやっと私は前方にあるトンネルの手前にそれらしい白い看板が据えられているのに気がついた。工事中か何かだろうか。
車通りはほとんどなかったので適当な横道でスイッチターンし、元来た道を戻った。

そのまま何キロか走行していると、ふっと友人が「さっきの道、嫌な所でしたねえ」と少し笑った。
は?と目を点にした助手席の私をよそに、先輩も「うん…ちょっと参った」などと少し落ち込んでいるし、もう訳が分からなかった。
その後動揺気味の先輩には詳しく聞く気になれず、私だけ一晩泊めてもらい寄り添って(笑)あげたのち、例の友人に連絡した。

彼女はあっけらかんと「別に私には何も見えなかったけどねー」とか先輩は敏感なんだよ、人乗せて車運転するのって神経使うし。などと曖昧なことを言うだけだった。
一晩そのことばかり考えていて気がついたことがある。ターンをした地点、実際はもっと手前からそのトンネルの前の白い看板は見えたが、通行止めの文字までは決して読めなかった。
帰宅後県道の通行止めの情報も調べてみたが、そのような記事も見当たらなかった。
これを問い詰めると、引き返せるいいきっかけになったからよかったよあの看板!とのこと。最後まで要領を得られなかった。

霊感ゼロの私の唯一の不思議な体験。
こういうことというかそういうよくない道ってあるもの?