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小学生の頃、地元の野球チームに入っていました。
夏休みの期間に一泊の合宿があって、行った時のことです。
合宿とは名ばかりで、涼しい午前中だけ練習をして、午後はまるまる遊びでしたけど。
昼に友達のお母さん方が用意してくれたBBQを食べて、午後は川遊びをすることになってました。

ところが、水着を忘れたやつが2人いたんです。
忘れたやつは「パンツでいいから川に入りたい」と主張しましたが、監督は「パンツだと川の流れ
で脱げる可能性があるからダメ」と頑なに入れさせませんでした。

さすがに仲間達が川の中でワイワイ楽しんでるのに、水着忘れただけで一緒に遊べないのはつらか
ったらしく、忘れた2人のうちの一人が泣き出しました。
普段の練習ではメンバーをよく泣かす監督ですが、この状況では困ったらしく「おまえなぁ、この
へんの川は昔からサンガウオがでるって有名なんだぞ」と言うんです。
サンガウオ?と言われても何のことか分かりません。
監督にサンガウオのことを聞いても、困った顔でお母さん方を見まわしただけで、その時は何も教え
てくれませんでした。(結局、予想外に水が冷たかったので、みな陸に上がって遊んだ・・・)

帰りのバスの中は、監督とチームの子どもしかいません。
ふと思い出したらしく、誰も聞きもしないのに監督がサンガウオのことを話しはじめました。

サンガウオとは、水の中に住む妖怪のようなもので、カエルや山椒魚に姿が似ているらしい。
こいつは川の中に入っている人間を見つけると、そ~と近づき、距離を開けたまま人間の下半身の
穴に、伸ばした卵管をぬるっと潜りこませるそうです。
そこで、卵を産みつけるのかというと少し違う。
サンガウオは産卵する前に、穴の中の異物を落としてしまう。つまり胎児がいたら堕胎させ、その後
卵を卵管から流し込む。

だから、女性が裸や下着のまま川に入ってはいけない。
昔は川辺に立っているだけで、知らぬ間に女性の股ぐらに伸びた卵管が入り産卵されたとのこと。
また、望まぬ子を身籠った女性は下半身を川に入れて、堕としてもらっていたらしい。
ちなみに産卵期の秋には川から無数に伸びた卵管がススキのように揺れ、観光客を楽しませていたようです。

そんな話だったような気がします。
サンガウオの由来は「山河魚」「産婆魚」からきていると、後に読んだ本に書いてありました。