KUMAKICHI1027615_TP_V

田園地帯によくあるため池。
大きさは春や秋口になるとバス釣りの人がちょくちょく訪れるくらいの
大きくもないけど、小さくもない坂の下のため池。

池には小さな子が入らないように金網がめぐらされていたんだけど、
そんなものはいつの間にかペンチか何かで切断されて普通に入れるように
なっていた。そこに亀取りにきた男の子が入り込んでおぼれる事故がおきた。

幸いにも男の子は近くで農作業をしていた爺に助けられて無事だったが、
村役場でこれは何とかしないとということになった。
金網の補強と、うすぼけた注意を呼びかける看板が新しくされた。
それまでは、とぼけた顔の河童がきゅうりをもって『あぶないよ!』と言っていた。
その看板すら、きゅうりを消され、せりふも『ぶ』の部分を『、』に
変えられて『あ、ないよ!』という台詞に改変されているという間抜けっぷり。
これではいかんと、村の土建屋がわざわざ映画の看板職人に頼み込んで
新しい看板を作ってもらった。

河童が水中に泣き叫ぶ子供を引きずり込んで、にたりと笑っている。

子供が見たらトラウマ100%のおどろおどろしい絵だった。
その後、水難事故はなくなったが、かわりにその看板のあまりの恐ろしさに
目線がそちらにいってしまい。坂下のカーブを曲がりきれずに金網に
激突する小学生の自転車事故が立て続けに重なったのが原因で
看板はすくざま取り外された。

それからは、おっさんが苦い顔してバッテンしている
まったく詰まらない看板になってしまった。