C824_hartkillshot_TP_V

誰もいない放課後の教室で、帰り支度をしていると
同じクラスのAが入ってきた

Aはクラス内の派手なグループに所属している男子で
ほとんど口をきいたこともなかったため
特に声をかけずにいたが
Aはスタスタとこちらに近づいてくる

不思議に思っていると、Aは私の前で足を止め
こちらにナイフを向けてきた

振り返ると、かなり怖い状況なんだが
当時の私はなぜかAがナイフを貸してくれるものと思い
刃に向かって手を伸ばした

Aの方もなぜか素直に渡してくれたので
私は「包丁と違ってギザギザしてるんだなー」とか呑気にナイフを眺め
満足のいったところでAに返した
この間Aはずっと無言

次の日からは、また関わりの薄いクラスメイトに戻り
卒業まで何もなかった

その頃は「親しくもないのになぜ貸してくれたんだろう?」という
馬鹿な疑問しか浮かばなかったけれど