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ある夫婦に待望の長男が誕生した。
夫(A)は黒髪直毛。妻(B)も黒髪直毛。

しかし、生まれた子どもは金髪巻毛のハーフ顔。しかもA、Bどちらにも似ていない。

もちろん周りはBの不貞や取り違えを疑い、産院内には気まずい雰囲気が漂う。
が、実はBの祖父が西洋人であった為、隔世遺伝として片付けられた。
ちなみにその時、Aは息子の誕生をただただ喜んでいた。

時は遡り、Aの生い立ち。
Aは普通の夫婦の次男として生まれたが、Aの父は、Aが自分に似ていないと思っていた。
そんな時、Aの血液型が、自分の子としてはありえないAB型であることが判明。
A母は自身の潔白を訴えたが、A父によるDV・虐待が始まり家庭は崩壊。
A母は数年後に自殺した。

一方、Aの長男はその容姿に関わらず、両親の愛情を受けてすくすくと成長していた。
ところがある日、血液型がO型である事が判明。
身に覚えのないBもさすがに動揺するが、Aは「俺に心当たりがある」と。
調べたところ、AはシスAB型というオチだった。

A長男は中学に上がった頃から父親に似てきて、
高校生の今、祖父(A父)から受け継いだ特長がはっきりと現れている。

A父は自分の愚かさを悔やみながら死んだ。