小学生女児が暗くなりはじめた時間帯に帰宅中。
その日は新しく買ってもらったリボンが嬉しくて、両サイドの三つ編みお下げに付けて
ご機嫌で歩いていたところ。突然現れた男に襲われ三つ編みの片方をザックリ切られる。
怪我は無かったが犯人は結局見つからず。
心の傷も、事件の記憶自体も薄らぐほど時が経過。
小学生女児も成人となり、結婚して実家に戻ってきた。
ある日、自宅に「ピンポーン」と呼び鈴が鳴り玄関を出てみたが誰もいない。
ふと扉下を見ると紙製の白い箱が置かれている。開けてみるとそこには髪の毛の束が。
結ばれているリボンには見覚えがあった。
それは事件当時、切られて見つからないままだった三つ編みの片方、
つまり当時の自分自身の髪の毛だと気付く。
・・・という話。長年に渡る一人の人間に対する犯人の異常な執着心。
そして事件はまだ終わっていなかったという絶望感。
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