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嫁さんは品川区生まれで、小学校の4年生くらいのときだった。
鉄棒が得意で、学校の校庭開放日には鉄棒をしにちょくちょく行って、その帰り道のこと。

夕方のまだ明るいころで、目黒川沿いの道を家に向かって歩いていると、川の上流のほうから、
ボヤンとした。
和室に置く「あんどん」のようなぼんやりした赤っぽい色で、風のせいか丸くなったり、少し長細くなったりしていた。
ゆっくり自転車をこぐようなスピードだったそうだ。
(え?)不思議に思い、注目した。

もう、すれ違うまでに近づいたとき、ソレが風に流される風船でもあんどんでもないことに気が付いた。
「インスピレーション、ね。これは人魂だーって、突然、気づいたの」だそうで、そうピンと来ても
怖くも気味悪くもなかったという。

すれちがってわかったのだが人魂は2つで、後ろに小さな人魂を従えた「子連れ」だった。
「そのせいか、ちっとも怖いと思わない。あ~、行っちゃう、行っちゃう、あ~あ、行っちゃった、
っていう感じね」
急いで帰って親に話すと「ふ~ん、あ母さんとお買い物かな~?」と笑いながら言われた。
人魂の行った方向にスーパーがあったからだそうだ。

友人や親族の人魂は怖くないと言われるが、そのときはお盆でも法事の時期でもなく、その後に
亡くなった親族・友人知人もいなかった。