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(1)会社の先輩にきいた話。
曰く、「今でも忘れられない」

当時先輩は大学2年。
ある日飲み会の流れで「肝だめしに行こう」と決まった。

行き先は山道にある古いトンネル。
先輩が車を運転して、仲間4,5人と肝だめしに行くことになった。
(完全に飲酒運転だけど、20年以上前の話です。時効ということでw)

(2)しかし、いざ現地に到着しても真っ暗な古いトンネルがあるだけ。

窓全開で音楽ガンガン鳴らしながら、何回かトンネル内を往復してみたらしい。
酔いも手伝い、全員「幽霊出てこいやあ!」みたいなノリで。
窓から身を乗り出して車の天井バンバン叩いたりしてたから、先輩的にはその時点でかなりテンション下がってたとのこと。
(父親の自家用車を借りてきていた)

(3)結局、期待していたようなモノは出てこないので、じゃあ帰るかと山道を戻っていたら
途中にポツリと1軒だけあった民家の軒先におばちゃんが一人立っている。
一気に静まりかえる車内。
不気味過ぎて一刻も早く通り抜けたかったけど、狭い山道でそうもできなかった。

「嫌だな~気味悪いな~」と思いながらノロノロと通り過ぎる間にも、おばちゃんはジロジロとこちらを見ていた。
そして運転席の真横にきた時

(4)「こら!あんた達!」
と、おばちゃんが叫んできた。

もう突然のことにビックリして、アクセル全開で逃げ帰ったそうな。

まあ、何のことは無い。近隣住民がバカ騒ぎしてる若者達に迷惑して様子を伺ってただけだったんだけど。
先輩がバックミラーで確認した時もまだジロジロ見ていたらしいので、先輩は内心
「やべえナンバー控えられたかも」
とか心配してたんだと。

(5)そしたら案の定(?)翌日、警官が先輩宅を訪ねてきて
「昨夜○○トンネル付近で暴走行為をしていたか」
「近所に住む住民から苦情があった」
「その方がナンバーを覚えていたから君たちで間違いないはずだ」
と、問い詰められた。

さすがにそこまで証拠が揃っていると反論の余地もなく、早々に悪事を認め反省の弁を述べると
警官も話が分かる人だったらしく、始めこそコッテリ絞られたけど後半は
「若い時分には羽目を外すこともある」「気を付けなさい」
と優しく諭す感じになっていた。

(6)ここまでだったら何でもない話なんだけど、帰り際に言った警官の一言で、この話が先輩にとって「今でも忘れられない」エピソードになった



「ああ、それから。危ないので、車の屋根に人を乗せたまま運転しないように」