PPS_cyabudaitokyuusu_TP_V (1)

中学生の頃、八月の中旬に母方の祖母の家に帰省した。 
帰省する途中で墓参りをして、祖母の家についた。 

祖母の家は二階づくりでさ。 
俺とか子供たちは二階で遊んだり、テレビ見たり、勉強したりするのが普通。 
その日は俺一人で二階で勉強してたんだよ。 

そしたらさ、視線を感じたんだよ。

視線を上げてみると小学生低学年ぐらいの男の子が階段の途中からこっちをじーと見てるんだよ。 
祖母の家の階段はちょっと変わっててさ。 
階段を上がる途中から横の壁がなくなって、二階が見えるんだよ。そこからじーって見てるんだよ。 
どうしたのかなって、こっちも見てたんだけど、ふって唐突に居なくなったんだ。 

最初はあ、下に降りたのかな、って思ったんだけど、そこで気が付いたんだ。 

子供がさ、こっちを見ていた位置だと、体が階段を突き抜けるんだよ。 
そこでさらに気が付いたんだ。 
今この家に子供、俺しかいないことに――。

慌てて、下に降りてみるけど子供の姿なんてなくて。 
誰か上に来たか聞いてみるけど、誰も上がってないって。 

その瞬間、背筋がぞっとしたんだけど。すぐにあ、って気が付いたんだ。 

昔、母さんの弟が亡くなってたことに。亡くなった年齢が小学校の低学年。 
その時、ようやく分かったんだよ。俺にとって叔父さんが帰ってきてたんだって。 
帰ってきたのは良いけど、知らない人が二階で勉強してたから見てたのかなって。 

母親曰く、好奇心が強かったみたいだから。