TTAIMGL4299_TP_V

急峻な山地に家の点在するある地域の話なのだが、ある日、その地域にすむ老人が 
山の仕事に行くと、何時もの山道の傍らに、昔の人のような丁髷で裃を着た男が立っていた 

男曰わく「あなたは78の今日まで生きる」 
変な事を言う人だなと、横を過ぎて振り返るともう居なかった 

それから老人は口癖のように「儂は78になったら死ぬからな」と家族に言うようになった 
老人が78になったその日の朝、「愈々今日だなあ」という 
炉端で皆で「また言ってる」と思っていたら、その日の昼に縁側で豆を剥いて居たと思ったら、座ったまま往生していた