Yamasha17826007_TP_V

友と二人で秋の里山を歩いていると、不意に横手の立木がゆさゆさ揺れ始めた。

何かが揺さぶっているみたいだが、木には何の動物も取り付いていない。 
あっという間に、道の上に枯れ葉が山と撒き散らされる。 
始まった時と同様、木は突然ピタリと揺れるのを止めた。 

「タチキユスリといってな、この辺りじゃ結構あるんだわ、こんなことが」 
友人は平然としてそう言った。