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数年前の季節は10月の頭辺りだったと思います、俺は当時大学生で、サークルやら課題等で忙しくも充実した普通の大学生活を過ごしてた 

その日、いつも通りの大学の帰り、最寄り駅から自宅の帰り道で俺はおかしな光景を見た 

緑色のフェンスに体をひたすらぶつけているスーツを着たサラリーマン風の男 
ぶつけているというか、フェンスの向こう側に行こうとしてるようにその時の俺は感じた 

意味は分からないが、ただひたすら体をフェンスに当てて足踏みする男

俺は一瞬驚いたが、少しして 
「あっ、そっち系の人だな」と冷静に解釈していた 

もちろんその日、俺は男を無視して家に帰った 
でも驚いたことに、次の日の朝もその男は同じ場所で同じように体をフェンスに押し付けていた 

「一晩中ずっと?」 
そう考えるとゾッとして俺は逃げるように大学に向かった

その日から今現在の今日まで、その男は同じようにフェンスに永遠と体をぶつけているままです 

今まで何人か、地元の友人に話して二人でその場所に行ったが、友人達には何も見えないらしい 

警察にも一度通報したが、イタズラ扱いされてるだけだった 


実害は特に何もないし、もう怖いとも感じなくなった 

けど、なんであの日から「男が永遠にフェンスに体をぶつける姿」が俺にだけ見えているのか、意味は分からない