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昨年の冬の夜、冷たい風に目が覚めた。 
見ると、ベットの傍にある窓が少し開いている。寝る前に開けてそのまま閉めるのを忘れてたんだ。 
部屋の中は猛烈な寒さで、やべー凍死するよとか思いながら起き上がって閉じた。
と同時に異変に気づく。 

窓は家の庭に面していて、その庭には何本か木が植えてある(田舎だから庭が広いww)。
高さ3メートルくらいかな?もうちょいでかいかも。 
その内の一本が不自然に大きく揺れていた。ユッサユッサって感じに。 
なんだ?と思って目を凝らす。木にはまだいくらか葉が残っていて、
その揺れの原因がよくわからない。 

どうにも気になったので、メガネを掛けて窓を開け、さらに首まで出して見た。
猿か何かがいると思ったんだな。

すると、問題の木の上の方、葉と葉の間に何かがしがみ付いているのが見えた。
サルではなく、人間。
それも裸の、小学低学年くらいの男の子。暗闇なのに、一度見えてしまうと嫌にハッキリ見えた。 


ャーャーャーャーャーャーャーャーャー 


って小さく言いながら、笑顔で木を揺さぶっている。 
ヒッ、って声が出たよ。それが聞こえたのか、バッ!ってその子が俺の方を見た。
目が合う。真顔。子供が大人を観察する時のあの顔で、明らかに俺を見ていた。 
俺は速攻で窓の陰に隠れて、窓を閉めた。もう心臓が早鐘を打って痛いくらいだった。 

暫くベットに伏せて(寝転がる、と言うより伏せる、って感じの体勢だった)暫くそのまま固まってた。
辛い体勢だったけど、指一本でも動かした瞬間に何かが起こる気がして動けなかった。 
何分くらいしただろう、また外からャーャーと声が聞こえてきた。 
それを聞いて、少しホッとする。ああ興味の対象から外されたなって。 

少し気が緩んだのか、相変わらず怖いし動けなかったけど、そうしている内に寝てしまった。 

余りにも現実離れしていて、朝起きたら恐怖心もあまりなく、
何となく夢だったんだなと思いながら過ごす内に忘れていた出来事。

ふと思い出して書き込みました。 

しかし夢にしてははっきりと覚えていて、俺にとってはスゲえシャレにならん体験です。
その後は何もなく、近親の人々にも何か災いが降りかかるようなことはなかったけれど。 

去年よりも寒く感じる今年の冬、ふとあの声が聞こえてこないかとビクビクしながら
夜を過ごしています