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が、一歩踏み込んだ瞬間.猛烈な臭いが鼻を刺した.薬品系と生臭さが混ざったような臭いだった. 

ドアがしまる 

1~13まであるボタンの「12」を押すと 

『ガタッ!!!』と一度下に落ちた後に『う゛ーん』と上がっていった 

今もアレほど揺れるエレベーターには乗ったことがない 

灯りがないので、途中真っ暗になる時間がありとても怖かった 

12階に到着するときも『ガタッ!!!』と大きく揺れた

12階で待っていた友人は笑いながら 

友人「な?使いたくねぇやろ?」 

と言っていた 

友人「よし、こっから階段やな」 

階段を進んでいき踊り場にでて、曲がると、13階の入り口が見える 

13階の入り口は 
ベニヤ板で封鎖されていた 

何故か鳥肌がたった

細部まで見てみると、ボンドの様なものでスミまで目取りされていた 

友人「こんな感じやけん、13階の入口はエレベーターだけなんやろうな」 

兄貴「何のための板なん…気味悪いわ」 

しばらく、その場で話していると 13階の方から 

『コン…コン…』 

明らかに音が聞こえた 
しかし、その音を聞いたのは俺だけだったようで、話し込んでいる二人には聞こえていないようだった

俺は二人に伝えようとしたが、当時小学一年生だったので信じてもらえないだろうとも思った 

ただ、この場からすぐにでも離れたかったので 

俺「ねぇー部屋に戻ってゲームの続きしようよ!!」 

と駄々をこねて、その場を立ち去ることに成功した 

踊り場から12階に戻る際、 

『ドン!!』 

と音がしたのは、全員気がついていただろう

ただその時は誰もが気がつかないフリをしていた 
その日はこれで終了 以下は兄貴から聞いた話 
また別の日、二人は遊んでいた.開校記念日か何かで、平日の朝からずっと二人でゲームをしていたらしい 
兄貴「いいかげんあきてきたなぁ」 
友人「たしかに.他に呼んで外で遊ぶか?」 
兄貴「いやぁいいや.」 

友人「13階のことなんやけどさ、物置やねぇらしい」

友人「親に聞いてみたんやけど、入居するときに管理人に『13階は入居者立ち入り禁止』ち言われたらしい」 

「まぁ雰囲気でなんか察したんかなぁ?親は追及せんかったみたい.」 

兄貴「ふーん」 

違うゲームで気をまぎらわすも、もうどうにも暇で仕方がなくなった 

暇は人に勇気を与える 

二人は13階に入ることにした