012horror0523_TP_V

俺が高校生だった頃(もう7年以上前になるのか・・・。)の話なんだけど、 
深夜に当時付き合っていた彼女の家から自転車で帰っている途中の出来毎。 
俺が住んでた所はそこそこの田舎で、メインの道路から少し外れると田んぼ道だった。 
メイン道路は車道も歩道も狭く、深夜は暴走しているヤン車などがよく通って 
危ないので、俺は田んぼ道をよく使っていた。 
その田んぼ道は街灯の数が少なく、100~200mおきにしか設置されていない。 

その日は曇っていたのもあって点在する街頭の光と、自転車のライトで照らされた道以外 
何も見えないよう状態だった。 
昼間も通学路として使っている道だが、深夜で人気がないのも相まってかなり不気味な雰囲気 
をかもしだしていた。※民家もメイン道路沿いに点々としている程度 
非常に怖がりだった俺は、MDで音楽きながら恐怖心を紛らわしつつ、少し飛ばし気味で帰っていた。 

すると2本先の街灯の下に何か動いている物が目に入った。 
こんな時間に人がいるはずもない。なんだろう。と気になって、 
一旦ブレーキをかけ、自転車を止めて凝視してみた。 
そして、よく見てそれが何であるか確認出来た瞬間背筋が凍りつき、目から涙がにじみだした。 

白い服着た長い髪の女がユラユラと揺れていた。 

脳内で「ベタすぎるだろ・・・。」とか考えながらも恐怖で動けなくなってしまった。 

引き返すのは絶対嫌だった。ここまで着た道の方が家も明かりも少ない。 
なんとかアレを避けて通る方法はないかと辺りを見渡してみた所、 
一本先の街灯の少し手前にメイン道路へ通じる小道があるのが見えた。 
メイン道路にいけば街灯は数は多いし、何より民家がある。 
その女に近づくのは抵抗があったが、そのままじっとしているわけにはいかず、 
そこまで全力疾走することに決めた。 

その女が気付いてこっちに来ないか確認しつつ立ち漕ぎ全快で小道へと向かった。 
そして小道までたどり着いて女との距離が近づいてさっきよりよく見えるように 
なって気付いた。 

女は白い着物を着ていて紐のようなものが軽く巻きつけられていた。 
そしてその紐の先には犬。 
意味がわからなかった。 
ただの散歩してる人だったのか?とか思ったけど、 
何故着物?そしてなぜリード巻きついたままずっと揺れてんの? 
意味がわからなさすぎて混乱して余計怖くなってそのまま全力疾走して帰った。 
あれ、ほんと何だったんだろう・・・。