小学校の頃、上の学年にてるおくんという知恵遅れの子が居た。
小学生の頃、てるおくんの近所に住むナオキっていう同じクラスのヤツの家に遊びに行った。
ナオキが「あ!てるおくんだ!おーい!」と見上げた方をみると
てるおくんが窓から手を降って居た。
正確には手を「シッシッ!」とやるような感じ。
「なんだあれ!アハハ」と笑いながら俺たちはナオキの家に上がり込んでセガマーク3で遊んだ。
時は流れて、高校生の時、テスト期間中で部活がない日にジョギングしてナオキの家の前を通った。
「お!ひさしぶり!」ナオキはバイクを洗って居た。
ナオキは中学まで一緒だったが、高校は別々になって疎遠になって居た。
久しぶりの再開に小学生や中学の頃の話をしてると
ガラガラっと窓を開ける音がした。
「あ、テルオ」
その時まで忘れて居たその名前とあのシーン。
知恵遅れの彼のおかしな手招きを....
いや、動きが違う。シッシ!と言った感じではなく
おいでおいでの様な動きだ。
「昔と動きが違うね」
「あーそういえばそうだな、結構前からちゃんとできる様になったみたいだわ」
しかし、彼のおいでおいでも、ちゃんとできてるとは言い難い。我々に手を降るなら、バイバイみたいな動きのはず。
結局変な動きだけどな!みたいな事を言って
ナオキと別れた。
それから何度かジョギングでナオキのうちの近くを通り、てるおくんの家の方も見るクセがついた。
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