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警備員やってた頃、深夜の巡回が苦手だった。 
厳密に言うと、8棟あるうちの一番新しい建屋がイヤだった。 
エレベーターも早いし廊下もキレイ。他の古い建屋のような黴臭さもないし 
照明のON/OFFも一元化されてて楽だったんだが、地下が問題だった。 
いちいち照明つけてると面倒だから、とびきり明るい手持ちのライトもって 
巡回(いつも上の階からやってた)してると、誰もいないのにエレベーターが地下に下がる。 
呼ぶとエレベーターはすぐに上がってくる。嫌な感じがして階段使って地下に 
行っても勿論誰もいないんだが、白粉?みたいなニオイが廊下にこもってて 
ますます嫌な感じ。せっかく降りてきたついでだから、と地下の各所を点検していると、 
廊下の向こうから「チン」とエレベーターがご到着。

こういうのが頻繁にあった。警戒入れて終わらせると、しばらく経ってから発報する 
こともしばしば。他の警備員の中にはこの新棟の深夜巡回を渋るのさえ出てきた。 
上司にそれとなく言うと「ヘタレww」と爆笑されたりしたんだが、その新棟を施工した 
業者のガードマンとある日そんな話をしてたら、曰くもとの建屋ぶっ壊して基礎砕いて 
地下つくる為に掘り下げたら随分とでっかい石が出てきたとのこと。 
表面に何かが彫られていたけど判読できず、こともあろうに砕いちゃったそうな。 

オレはもう無関係だが、まだそこにいる元同僚が言うには最近になって坊主呼んで 

たらしい。でも相変わらず機械警備の誤作動が絶えず、入ってそれほど 
経ってない若いヤツに至っては地下で女の声がしたとかで、半狂乱になって 
全力疾走してくるその姿が一番怖かったとか。転職した今でも地下は何となく苦手。