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高校生活も半ばを過ぎると、高校生にとって大きなイベントがある。修学旅行だ。 
決まった。もうだいぶ前になるので日程などは忘れてしまったけれど、 
今思えば少し不可解な出来事があった。宿泊先のホテルでの事。 
ホテルに着くといくつか注意事項を説明された。
その中にベランダには出てはいけないとうものがあった。 
おそらく安全に配慮してのことだろう。それからしばらくは自由行動となり、
私は同室の友人と部屋でのんびりとしていた。 

ホテルの正面、道路を挟んで少し離れた位置にコンビニがあり、
何人かの生徒と教師はそこに向かったようだった。

しばらくすると、担任の教師が部屋にやってきてこう言った。 

「今ベランダに出ていたのは誰だ。」 

私たちは顔を見合わせた。誰もベランダには出ていない。 
話を聞いてみると、担任教師がコンビニからホテルに戻る途中、 
私たちの部屋のベランダに誰かが一人立っているのが見えたそうだ。 

外から階数と部屋の位置を確認して、懲らしめてやろうと乗り込んできたらしい。 
私たちの部屋は非常階段の隣に位置していたので、間違えるはずはないという。 
誰もベランダに出ていないと答えると、まだ疑っていたようだが帰って行った。 
これだけならただの見間違えだと思うけれど、話はここで終わらない。

それからしばらくたって、夕食後だったか、おぼえてないけれど、あたりが暗くなり始めた頃、今度は別棟の部屋の男子がやってきた。 
別棟といっても、先述の非常階段を挟んだ所にあり、そこを通過すれば行き来できる構造だった。 
(この辺のホテルの構造は少しうろ覚え。記憶の限りではそういう構造だったと思う。) 
だいぶご立腹の様子で、「今、ベランダにいたの誰?」と。 
彼の話では、彼は私たちの部屋のすぐ隣、つまり非常階段の踊り場で、隠れて恋人とイチャイチャしていたそう。 
そこを私たちの部屋のベランダから誰かが覗いているのが見えたというのだ。

どうやら文句を言いに来た様子。 

突然の来訪に不意を打たれたが、私たちはみんなでゲームをしていて、
誰もベランダには出ていないと説明すると、 
どこか腑に落ちない様子であったけれど、帰っていった。 

担任教師の件もあり、誰か本当にベランダに出ていたのではないかと思い、
確認してみたが誰も出ていないようだった。 
不思議に思ったけれどその時はすぐに忘れてしまい、その後は何事もなく無事に帰ってきた。

お話はこれでおしまい。あんまり怖くないですね。私が直接見たわけでもないので、
彼らの見間違えかもしれません。 

ただ、最近ふと思い出して、実はベランダには「なにか」いたんじゃないか、
なんて思って書いてみました。 
そしてこれを書いている最中、私の部屋のベランダから「パチ、パチ」という音がするんですけど、
関係ないですよね。