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K「気は向かないけど、一応、線香の一つ位はあげとこうと 
 思って、学校帰りに寄ってみたんです。そしたら 
 お婆さんの旦那さんが居て、旦那さんから 
 『ここからにしんさい』って庭先で止められて、 
 そこで手合わせて帰らされました。旦那さんは 
 『今は色々集まってるから』って言ってました。」
K「ウチの祖母は『神さんや仏さんに関わってると、 
 死に際は大変だから、死に顔を見せたくなかったんだろう』 
 みたいなこと言ってました。」 
(ちなみに仏さんは人の霊、神さんはその他八百万らしい) 

取り敢えず、ちょっと特殊な家柄なのは分かったが、 
そこまで聞いても現代っ子としては、今一イメージが 
掴めなかった。 

俺「Kはお祓いとか実際に見たことあんの?」 
と聞いてみた。 

K「うーん、直接は何も見たこと無いですね。 
 僕、見えない派ですからw」 

本当、要所要所で使えない… 

K「でも中二のとき、多分夜8時位だったかな?オヤジが 
 頭から血流しながら帰って来たことがあって…」 

いきなり流血話!?( ̄▽ ̄;) 

要約 
夜8時頃、K父が頭から血流しながら帰宅、直ぐに 
『すえ屋行ってくる』と言って、翌朝帰宅後に病院へ行く。 

K父曰く、帰る途中に軽トラで『何か』を轢いたらしい。 
Kが車を見たら、前面の左側がベッコリ凹んで、 
フロントガラスもバキバキに割れていた。 

だが、血は全然付いてなくて、塗装が剥げてる訳でも 
なかった。 

K父曰く、『何か』は毛むくじゃらで2m位の塊みたいな 
ヤツだったらしい。 

俺「そういうヤツが出てくる言い伝えは無いの?」 

K「有るかも知れないですけど、僕は何にも 
思い浮かびません。」 

N「お祓いとかの内容は?」 

K「聞いたことない。でも木彫りの御守り貰って来てた。 
 良く見てないから、細かい事は知らん。」

俺「オヤジさんはその後、何事も無かった?」 

K「胃潰瘍で出血多量になって、2回くらい死にかけて 
 ましたよ。まあ只の飲み過ぎですけどw」 
K「お婆さんが言うには、『この辺の神さんは鈍感だから、 
ちょっとぶつかった位じゃ怒らん。それに、境をうろうろ 
しとる様なんはそんなに恐く無い』らしいですよ。」

お開きにしようかって頃にふと聞いてみた。 
俺「その婆さんは亡くなった後ってどうしてんの?」 

K「お婆さんが亡くなった2年後位に旦那さんも亡くなって 
 今はT一族の別の人が住んででますよw 
 その人達が今の『すえ屋』です。」 

家を引き継ぐのは普通だと思うが、その役割も 
当然の如く引き継がれている様で何かゾッとした。