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母方の伯母の家が山陰の山奥にあって小2時に長期滞在してた。
伯母といっても長女、母は末娘で親子ほどの歳の差。 


その伯母から「裏の畑にはたまに猿が降りてくるけど、トマトとか食べてても目を合わせちゃいけない」と言われた。 
襲ってくるんだと。
でもし見かけたらこの一斗缶を叩け!と井戸端にぶら下がってた一斗缶を示された。 

ある昼下がり、昼寝からふと目を覚まして外の便所小屋に行こうとすると、いた。
俺寝ぼけてたので「あ、猿だ」とじっと見ちまった。 
こっち向いたそいつと10m位の距離でにらめっこみたいになって、やべっと思った瞬間に襲ってきた。 

真っ黄色な牙をむき出しにしてなんか叫んでた。襲われる!って思ったら次の瞬間なぜか弾け飛んだ。

贓物が凄く獣臭かった。 

わけわからずに泣きだしたら、
伯母さん(ばあちゃんて呼んでた。実の祖母は母が幼い頃に亡くなってて伯母さんが母の母代わり)も 
昼寝から起きてきて、泣いてる俺の目に両手を当てて目隠しして、
そのまま井戸端に連れてかれて、服着たままで井戸水浴びせられて 
「じとってろ!」みたいな事言われて、そこにあった大きな山刀で体中の皮膚の上を撫ぜられた。あれなんだったのか。 

おやつに採れたての玉蜀黍食べた。

甘くて美味しかったけど、皮向いたら実と皮の間に猿の歯が飛んで挟まってた。