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自分は、就職を機に愛知に出てきたんだけど、実家はかなりのど田舎で 
町民のほとんどが農業で生活してるような過疎の町で生まれ育ちました。

その年のお盆も、休みはあったんだけど、都会(っていっても愛知も田舎だけど) 
生活に慣れた自分は、なんとなく億劫で帰らずに過ごしていました。 

その日も仕事が休みで、家でゴロゴロテレビを見ていたんですが、 
ふいにインターホンが鳴ったので、とりあえずインターホンのモニターを見ました。 
ちなみにモニターだけ見たので、応答したわけではなく、 
マイクの電源を入れない限り、こちらの様子は外からは分かりません。 

モニターに映ったのは、黒いスーツを着た初老の男と、同様の女でした。 

とっさに思ったのは、NHKの集金かな?ということでした。 
というのも、愛知に来て数年間、一度も受信料を払っていなかった自分は 
スーツの人間が来たら居留守を使う、というのが定番だったからです。 
内心どきどきしながら、いつも通り居留守を決め込もうとしたのですが、 
落ち着いてもう一度モニタを見ると、どうやら集金というよりは 
葬式帰りの夫婦のようでした。 

よく見ると、二人ともスーツというよりは完全に喪服で 
男は黒いスーツにネクタイ、女は胸に真珠のネックレスをしていました。 

しかし、喪服で訪ねてくるような近しい関係ではなく、完全に自分の知らない二人でした。 
その時点でかなり気味が悪かったのですが、特に男の表情に全く生気が無く 
目は落ちくぼんで、口も半開きの無表情だったので、なんとなくやばそうだと思いました。 

一瞬、インターホンの応答をしようか迷いましたが、そういう好奇心より 
理性と恐怖心が勝って、なんとか居留守でやり過ごすことにしました。 


しばらくそのまま固まっていたのですが、5分ほどして再度モニタの映像をオンにすると 
その夫婦はいなくなっていました。