全員さっきの謎の人間がいた方向を確認したが、何も無かった。
と言うかこの時は全員、仮想敵が卑怯な方法でオトリ出したのかと思ってた。
で、しばらくたった4時頃、A士長が「あ~また来たよ」と言い出した。
確認してみると、確かにさっきと同じ場所に奴がいる。
シメシメ仮想敵の小隊も馬鹿だな~と本部に状況報告し、射撃の許可が出たので今度は3人で撃った。
と、またA士長が「ちょっと待て」と射撃を止めた。
今度は何だと思って聞いてみると、「あいつ目が光ってる・・・」とか言い出す。
目を凝らしてみると、確かに微妙に顔辺りに光が二つ並んでる。
動かんし、目は光ってるし、気味が悪くなってきた俺らはとりあえず観察。
本部から戦果について聞かれたので、不明者逃亡と返信した。
そもそも、奴がいる地点は隣の塹壕からも確認出来るはずだったが、誰も報告してない。
どうやら、マズい物を見てるんじゃないかと3人は思い始めた。
しかし動物の可能性も捨て切れない以上、本部に変な報告は出来ないし(明方だったから幹部は皆疲れて不機嫌だしw)
とりあえず、無視しようと言う事になった。
それを3人で決めて再び塹壕の前方を向いた直後、A士長が「え!?」と叫んだ。
あまりの驚き様にB2曹も腰を上げ、前を見た。
目の前の外柵に目を光らせたワイシャツとスラックスの男が突っ立ってた。
ってかそこで気付いた。
こいつ目だけじゃなくて体全部光ってやがる。
だから冬の夜中で遠くにいても、ワイシャツと気がついたのかと。
なんか口もパクパクしてて、A士長とB2曹は固まってるし、俺も銃向けるとかそれどころじゃなかった。
小銃持った3人の兵隊が、1体の化け物相手に固まってるって、今考えりゃ笑えるけどw
その内そいつは森の奥へ消えていった。しかも水平移動で・・・。
全員が我に返った頃、ようやく空が青みがかって来た。
A士長とB2曹が「やべぇなこれ・・・」とか言い始めた時、耳元でって言うか頭の中で声が響いた。
「撃てよ」
我に返った直後だったが、再び全員が固まった。どうやら2人にも聞こえたらしい。
その後はガタガタ言いながら朝の演習終了まで3人寄り添ってましたw
その後、内務班で幽霊騒動が起きたり、給養の倉庫を男の頭が彷徨ったり色々あったんですが
退職したんでそれ以上は不明・・・。
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