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中一の春、父親が死んでから家で不可解なことが起きるようになった 
誰もいない二階の部屋から咳ばらいが聞こえたり、煙草の匂いがするようになったりと 

その日、いつもののように部活から帰った夜のこと 
母親は働いていて家に居らず、兄は外出中だった

俺は着替えた後、居間のカーテンを閉めて冷蔵庫に向かった 
麦茶とお惣菜を冷蔵庫から出そうとした時だった 

シャーーーッ 

後ろを振り向くとさっき閉めたはずのカーテンが半分ほど空いている 
特に気にすることもなく、こういうこともあるだろうとカーテンを閉めようと手をかけたその時 

「イタイ」  

耳元で子供の声がした