その直後、「ああああああああああああああああぐううううううううあああううううううああああ」と、
ものすごい音量で誰かが水中で叫ぶ声がした。
めちゃくちゃびっくりして、BとCを見たけど二人とも驚いてる。
確かに人の声だったんで、怖くなり急いであがろうとしたけど、なんと金縛り。
三人ともロープを掴んだ状態でまったく動けなくなった。
でも不思議と苦しくなかった。
しばらくしたら、また声が聞こえた。
「あああああああああ・・・・・・・くるしい」水の中での声だったんで聞き取りにくかったけど、
「くるしい」だけはちゃんと聞き取れた。
その声の直後、濁ってる海からスーーーっと女の子が出てきた。
水着を着てて、小学校高学年ぐらい。
泳ぐというよりも、歩いて出てきたといったほうが正確で、水中でできるような動きじゃなかった(説明がうまくできなくてすみません)。
こっちにゆっくり近づいてくるんだけど、逃げることも顔を背けることもできなかった。
時々なにか言ってるんだけど、聞き取れなかった。
そしてついに、女の子がBの目の前に来て、Bの腕を掴んだ。
その直後、濁った海から黒い海水パンツをはいたおじさんがスッと現れた。年齢は40代ぐらいだと思う。
おじさんもゆっくり俺たちの前にきて、Bを掴む女の子の手をもってなにか言った。これも聞き取れなかったんだけど、女の子は手を放した。
二人でなにか会話していたが、おじさんは女の子の手を持ち、二人で濁った海のほうへ消えていった。女の子は残念そうだった。
それと同時に体が軽くなり、急いで海面に出た。三人ともただ茫然としてたけど、
笑いながら「お前らどんだけ息続くんだよwwwwwwwww」というAのおかげで、現実に引き戻された。
Aにも事情を話し、その日に花とビールとお菓子を海岸の海を見渡せるところに置いておいた。
それ以降ボートで沖へ出るのはやめた。
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