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高校二年生の今頃、俺と友達が海で体験した出来事 
この時期になるとちょっとずつ海開きするところが増えるけど、 
俺たちがよく行ってた海はまだ人がほとんどいない。 
そういう人がいない時期には、友達三人、計四人でよく沖までボートを漕いでた。

四人で乗るとほぼいっぱいになってしまうボートに、ジュースやお菓子、 
自作の碇(太めのロープに大きな石をくくりつけたもの)を乗せて沖へ出てた。 
人がいない時期にこんな遊びをしてたのも、子供が真似をしたら危ない。ということだったが、 
今考えると結構俺たちも危ない遊びをしてた。

遊びの内容は、毎回少しずつ砂浜からの距離を伸ばして、海中を探索するというもの。 
晴れた日はほぼ毎日行ってたので、「前はこの辺だったから、今日はもう少し進もう」みたいな軽い感じでボートを漕いでた。 
場所が決まったら、碇を下して海に飛び込む。この時いつも誰か一人はボートに残る約束をしていた。 

その奇妙な出来事が起こった日ボートに残ったのをAとして、海で探索してたのはB、C、俺。 
探索といっても、碇からボートに伸びたロープを掴みながら海底にもぐって、付近をウロウロするだけ。 
水がきれいなので、周りをよく見渡すことができた。 
そして息が続かなくなって海面に上がっての繰り返し。 
今思うとあの元気なときだからできた遊びだった。 

前置きが長くなったけど、奇妙なことが起こったのはもう一度もぐった後の話 
俺は足元になにかないかなーって下を向いてたら、Bが肩を叩いた。 
Bは沖のほうに指をさしてた。意識して見てみると海が濁ってた。 
いつもと違い、その時はほんとになにも見えない状況だった。 
BはCにもその異変を伝えて、三人でなんだあれ?とおもしろがって見てた。