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 中学三年に進級したときのこと 
学校の机が木目調なんですけど、僕の席の机、どう見ても木目が人の顔だったんですよ 
気味が悪くて、誰も見てないときに隣の席の千村さんの机とこっそり取り換えてしまったんです 
それから千村さんの様子がおかしくなりました 

放課後一人で教室に残り、誰かとしゃべってる姿が度々目撃されるようになったんです 
うちのお母が千村さんのお母さんとたまたま知り合いで、千村さんは家では彼氏ができたって嬉しそうに話してるみたいなんです 

それで毎日彼氏の分も弁当を作って持っていってるそうなんですよ 
学校ではそんな気配はまったくないんでおかしいなと思ったんですけど、当時僕は反抗期だったもんで、「あっそ」の一言でその話題は片付けてしまいました 

そのうち千村さんの様子はますますおかしくなっていきました 
学校から帰ろうとしなくなってきたんです 
まさに登校拒否の反対、帰宅拒否です 

そして先生や両親が無理やり帰らせようとして発狂し、ついにどこかの病院に強制入院することになってしまいました 
あれはちょうど今くらいの時期でした 

気温とじめじめで教室内に異臭が漂いはじめました 
千村さんの机の中を覗くと、腐った食べ物がぎゅうぎゅうに詰めてありました 
不思議なことに、木目の顔は消えていました 
きっと千村さんについていったのだと思います