PB110227-Edit_TP_V

自分が大学生の時、家族で北海道へ旅行した。亡くなった婆ちゃんの49日だったかな。 
移動プラスアルファ旅行を楽しむために札幌のマンスリーマンションを1週間借りたんだ。
 
婆ちゃんの住んでた所がすげー僻地で、札幌から車でも電車でも相当時間がかかる。 
仏教信仰もへったくれもない上に親離れしたかった自分は親とは別行動で墓参りには行かなかったんだ。 
つまり、そのマンスリーマンションに一人で残って親を見送った。

車に乗って出てく両親を見送るまではあんまり気にしてなかったけどさ。 
借りたマンスリーマンションのすぐ裏手が墓場だったんだよね。円山霊園ってやつ。 
まあでも小さいころ霊感あったらしい自分もそん時には零感で、大して気にしなかった。 
そのマンションで、昼間は札幌市内に出ては帰って寝るってなんちゃって独り暮らしを楽しんでた。
そん時は何も起きなかった。 
いや、思い返せば台所に人が居る気配とか見られてる気配とかが半端なかったけど、気にしてなかった。 
だって振り返っても居ないし。見えないし。感じないし。 
この年に買ったばかりのノーパソではじめて無線LAN繋いでネットに集中してる方が楽しかったし。

で、怖い話はこっからなんだけど。 
マンスリーマンションの契約最終日に両親が帰って来た。一晩泊まって、フェリー乗って帰る予定。 
両親も長時間の移動で疲れてたし、自分も大概ネットのやりすぎで眠かった。 
だからちょっとだけ酒飲み交わして23時には寝たと思う。

父親、母親、自分の順に川の字になる感じで寝てた。 

でさ、一眠りしてふと眼が覚めた。金縛りの状態で。 
金縛りは何度かあったことあるけど、大抵が霊云々もなく「あー起きちゃった」って感じだったんだけど。 
こんときばかりは違った。マジで。

自分の足元を、誰かが歩いてるの。なんかいるの。 
怖くて眼は開けられなかったけど、イメージしたのは黒いモヤモヤ。人の形してるけど曖昧な感じ。 
鳥肌が凄くて、でも起きれないし電気もつけれない。 
これマジやばいやばいやばいって頭で思ってた。大して知りもしない念仏唱えたりして。

とにかく「ムリ!何も出来ないから!こっちくんな!」って思ってたら、自分に乗っかってたそいつがすーっと引いてくんだよね。 
よかった、いなくなった…って思うじゃん。 
するとさ、隣で寝息立ててた母親がさ、いきなり「うーんうーん」なんて唸るわけよ。

あー母親の方いっちゃった大丈夫かなあって思ってるとさ、今度は父親が唸りだすわけよ。 
で、また母親が唸り出してさ。 
確実往復して戻って来てるだろって思った瞬間に、また足の指先からゾワワワワッって鳥肌立つの。 
あ、これきたーーーーーーって思って。

また「こっちくんな!」って必死に念じてると、腰くらいまで来てた鳥肌がだんだん引いてくの。 
それを5,6回くらい繰り返してた。 
いつの間にか寝てたけど、あれを許したらどうなってたんだろう。

次の朝に両親に怖い夢見なかったか聞いてみたけど、記憶に無いって言う。まあ零感だかんな。 
ただ、父親がウン十年前にマンション近くのボロアパートに住んでた時はしょっちゅう火の玉を見たそうだ。 
墓地の上はもちろんのこと、父親の住むアパートの中にも人魂が横切ってたって。 
そんな土地によく娘一人残したもんだと、マジで怖かったので父親の鈍感っぷりを恨む。