KAZUHIRO001_TP_V

 一気に緊張が張り詰め、冷や汗が噴き出した。 
頭の中は「お祓いしたのに何で?」としか考えられなかった。 

全く動けないでいたが、神主さんの言葉が何故か頭が過ぎった。 

「何も憑いてないですよ」 

これは俺達が見てる幻覚では無いのか?本当は何も無いのではないか?数年前のような事が早々起こるか? 

そう考え、ずっと頭の中で「本当はいない」と考え続けた。 

そして瞬きをした刹那だ…女は消えていた… 

俺は「やっぱりそうだったんか」と溜め息をついた瞬間だった。 
後ろから右腕を掴まれ 

「ツカマエタ」 

背筋がゾッとし、ゆっくり後ろを振り返ると、満面の笑みを浮かべた女が笑っていた。 

俺は腕を激しく振り乱し、振りほどくと狂ったようにがむしゃらに走り出した。 
何も考えず只々走り続けた。 

その後は記憶が飛び飛びでしかない。 
大通りに出た俺は走り交う道路へ飛び出し轢かれたようだ。 

幸い信号でスピードを落としていた車だった為、右腕、左足を骨折しただけで済んだ。 

しかしあの女と逆の手足が曲がったのは偶然か? 
全部幻覚だったのか? 
それからあの女は見ていない…